パリ・オリンピック柔道男子60キロ級に初出場した大成中学・高校(愛知県一宮市)出身の永山竜樹(SBC湘南美容クリニック)は28日、3位決定戦でサリ・ユルドゥズ(トルコ)に勝ち、今大会日本男子初メダルとなる銅メダルを獲得した。一宮市内の喫茶店で中継を見守った大成高柔道部員らは大きな拍手で先輩の偉業をたたえた。
店内には部員や教員ら約50人が集まり、「竜樹いけよー」と声援を送った。永山は準々決勝では一本負け。「待て」がかかった後に一本を取られたため、すぐには畳を降りずに抗議の意思を示したが、判定は覆らなかった。それでも敗者復活戦、3位決定戦と勝利を重ね、銅メダルを手にした。
永山の2年先輩で中学から大学まで一緒だった大成高柔道部監督の渡辺風吹さん(29)は「揺るぎない信念の結果だと思う。今大会ではつらいこともあったと思うが、まずはお疲れさまと言いたい」とねぎらった。中学時代の監督、神谷兼正教頭(54)は「竜樹が目指してきた色とは違うが、メダルを取ってくれてよかった。準々決勝までは動きが硬かったかな」と教え子の成長に目を細めた。
高校3年の相澤燎主将(18)は「悔しいとは思うけれど格好よかった。自分たちは高校総体を控えているので、優勝して竜樹先輩にも刺激を与えられるようにしたい」と意気込む。3年生の藤田鉄さん(17)も「負けた後に気持ちを切り替え、あそこまで戦えてすごい。感動しました」と興奮気味に話した。【川瀬慎一朗】
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