激闘を終えて本塁付近に集まる木更津総合ナイン=いずれもZOZOマリンスタジアムで
第106回全国高校野球選手権千葉大会は27日、ZOZOマリンスタジアムで決勝が行われ、木更津総合が市立船橋に延長十回タイブレークの末、2-1でサヨナラ勝ちした。6年ぶり8度目の夏の甲子園出場を決めた。(平野梓) 相手投手の一塁への送球が大きくそれたのを見て、サヨナラの走者がホームインした。延長十回、木更津総合がタイブレークで一、二塁に走者を置いた場面で、相手のバント処理のミスに乗じた劇的勝利。緊迫した投手戦で、最後まで集中力を切らさなかったナインに軍配が上がった。1失点で好投した木更津総合の千葉雄斗投手
「こんな投手になるとは…。春から鍛えて素晴らしい投球をしてくれた」と五島卓道監督を好々爺(や)の顔にさせたのは、先発・千葉雄斗投手(3年)。序盤こそ先制点を許したが「最後だったのでやるしかない。そう割り切れたのが良かった」と、六回以降は二塁を踏ませなかった。九回までを1失点でしのぎ、エース石沢順平投手(3年)につないだ。 この冬、OBで今秋のドラフト有力候補にも名が挙がる法政大4年篠木健太郎投手に指導されたのが転機になった。 制球が悪く四球ばかり出してしまう投球を厳しくとがめられた。「甘くてもいいから、思い切り投げてアウトを取れるボールを目指せ」。言葉通りに力強い球を投げ続け、球速は146キロをマーク。6月に再び指導に来た篠木先輩を「もう言うことはない」とうならせ、自信を得た。 チームは伝統的に好投手を生み出す“投手王国”。その一角を担うという自覚が芽生えたのも大きい。「チームに迷惑をかけてばかり。私生活で甘さが出て、冬場もさんざん怒られて主将にも強く言われていた」と千葉投手。気持ちを入れ替えて成長した姿を仲間も知っていたからこそ、最後はその力投に応えた。
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