貴景勝(下)をはたき込みで降す照ノ富士=名古屋市中区のドルフィンズアリーナで2024年7月26日、兵藤公治撮影

大相撲名古屋場所(26日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

〇照ノ富士(はたき込み)貴景勝●

 横綱・照ノ富士がカド番大関の貴景勝を落ち着いた取り口で降し、3場所ぶり10回目の優勝に王手をかけた。「いい感じで圧力をかけることができている。相撲が良くなっている」

 大関の地位を守るためには、後のない貴景勝は頭から当たって出たがかつての勢いがない。照ノ富士は右で抱えて受け止め、その右を差し込んだ。苦しくなった貴景勝が離れながら小刻みに押して出て得意の左からの突き落としを見せたが、照ノ富士は余裕で残す。なおも押してくる相手を右に体をかわしてはたくと、相手は土俵中央に腹から落ちた。

 大関陥落が決まった貴景勝は「負けるのは自分のダメなところがあるから。けがを含めての勝負」と受け入れた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「横綱に負けて落ちる。本望でしょう」と語った。

 この日、看板力士の一人、豊昇龍がけがで突然休場した。平幕の2人が勝って優勝争いは14日目以降に持ち越された。その14日目、照ノ富士は予想されていた豊昇龍に代わって3敗を守った隆の勝と対戦する。「その日その日の積み重ねですから」と淡々と話した横綱。かねて口にしていた2ケタと名古屋で初の優勝を目指す。【武藤佳正】

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