なでしこジャパンがスペイン戦に挑みましたが、ワールドカップを制した強豪に惜しくも敗れました。個人的には金沢市出身、北川ひかる選手の不在が響いたのではないかと感じています。
さてこのなでしこの試合に被災地の子どもたちが招待されていたことをご存じでしょうか。ボランティア団体の発案で実現したこのプロジェクトを取材しました。
今月11日、輪島市内に集まった5人の子どもたち。招待されたのはパリオリンピックサッカー日本代表の試合です。被災地に明るい話題を届けたいとボランティア団体「ちょんまげ隊」が企画しました。
「石川県で被災した子供たち5人をパリオリンピックへ招待する活動を行っています。募金よろしくお願いします。」
これまでも全国で被災した子どもたちをスポーツの世界大会へ招待してきたちょんまげ隊。活動のつながりを駆使して寄付を募り、およそ500万円が集まりました。
代表の角田寛和さん:
「決して無関心でもないし無視でもないってことを行動で伝えたい。」
楓さん:
「いただきます」
パリへ招待された一人、舩板楓(ふないたかえで)さん。
楓さん:
「あとから(食べる)…」
母・千佳子さん:
「見られながら食べられんがん?」
少し恥ずかしがり屋の輪島市に住む中学3年生です。
「ばあばが作った」
「バタバタっと金沢から帰ってきて私はなにも作ってない」
元日、親戚30人が集まる家が地震で倒壊。全員が屋根の下敷きになりましたが、命からがら逃げ出しました。今は輪島市内にある祖母の家と金沢のみなし仮設を行き来しながら暮らしています。
小学2年生からサッカーを始め中学ではキャプテンとしてチームを引っ張っていた楓さん。しかし…
楓さん:
「集団避難でコーチとかと離れていたからボールを思いっきり蹴られないことがストレスになった」
サッカーを再開できたのは地震から4カ月以上経った頃。そんなとき「ちょんまげ隊」の企画を知り日本代表の試合を観戦したいと応募しました。
友達:
「いいなパリ」「お土産ほしい人」「はーい」
楓さん:
「全員ないよ」
友達:
「フランス語わかるん」
パリでは現地での交流会も予定。楓さんは自分たちの暮らしぶりをフランスの人たちにも伝えることにしています。
楓さん:
「今の輪島の状況を伝えたい忘れてほしくないっていう気持ち忘れられたらこのまま地震前の生活に戻れない」
今月22日。5人は能登空港から飛行機に乗ってパリへ出発します。
楓さん:
「緊張もしているけど楽しみが勝っている自分と同じポジションの選手を見ながら勉強する」
パリへと旅立った子どもたちはきょう未明。なでしこジャパンの選手たちが世界で活躍する姿を目の前で観戦しました。
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