○阪神2―1巨人●(18日・甲子園)
鋭い打球が右前へ転がった瞬間、阪神が今季初のサヨナラ勝ちを決め、勝率5割に復帰した。十回無死満塁で、打率1割台の5番・佐藤輝明が殊勲の安打を放った。
17日時点でクリーンアップ3人は全員、打率1割台と苦しんでいた。この試合の十回、まさにそのクリーンアップに打席が回って来た。
マウンドの巨人・大勢に対し、この回先頭の2番・中野拓夢が左前打で出塁した。ここから中軸に入る。まずは3番・森下翔太が、追い込まれながらも「ボールは見えていた」と、しぶとく中前へ。一気に一、三塁の好機を作った。
この森下はチャンスに強い。打率では計り知れない、いい場面で打つのだ。17日も阪神はわずか3安打ながら2点を奪って守り勝ち、この試合で3連打の仕上げとして2点適時打を放ったのが森下だった。心掛けているのは投手とのタイミングを合わせること。この日は1点を追う終盤の八回、同点の左前適時打を放っている。
サヨナラの場面に戻ろう。同点の十回、4番・大山悠輔は打席途中で申告敬遠となり、無死満塁となった。舞台は整い、ここまで3三振と1四球、打率1割8分2厘の佐藤が打席に入った。6球目。内よりの155キロの直球を引っ張り、歓喜に包まれた。
阪神はここ10試合、すべて2得点以下ながら4勝4敗2分で乗り切った。ただ、投手力あってこその結果。もう少し打ってほしいところだ。【荻野公一】
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