18日にバドミントン日本代表からの引退を表明した桃田賢斗(29)は3年余りにわたり世界ランキング1位に君臨するなど、世界を代表する選手の一人として活躍した。だが、五輪の大舞台に立ったのは2021年に行われた東京五輪のみ。違法賭博や不運な交通事故などもあり、五輪の表彰台に届くことはなかった。
現在の香川県三豊市出身で中学時代から注目されていた桃田は、バドミントンの強豪として知られる福島県立富岡高に進学。2012年の世界ジュニア選手権で優勝するなど、将来を嘱望される若手選手として注目された。高校卒業後の13年には実業団のNTT東日本へ入社。15年の世界選手権で銅メダルを獲得し、翌年のリオデジャネイロ五輪でのメダル獲得が有力視されていた。
しかし、リオ五輪を目前に控えた16年4月、同僚の選手とともに違法カジノ店で賭博をしていたことが判明。日本バドミントン協会から無期限の試合出場停止処分を科されるとともに、リオ五輪のメンバーからも外れた。
それでも、出場停止処分解除後の18、19年の世界選手権では金メダルを獲得。世界ランキング1位になるなど、東京五輪での表彰台が期待された。
だが、20年1月に突然のアクシデントに見舞われた。遠征先のマレーシアで交通事故に巻き込まれ、右目眼窩底骨折の重傷を負った。21年に延期となった東京五輪には出場したものの、1次リーグで敗退。今夏のパリ五輪の代表入りも絶望的となっていた。世界の第一線で活躍した桃田だったが、五輪では本来の実力を発揮することはできないまま代表活動から退くことになった。
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