7月26日に開会式が行われるパリオリンピックに向けて、福井県勢のオリンピアンに、意気込みや福井への思いを聞いています。5回目の今回は、男子ハンドボール代表の藤坂尚輝選手です。
6月28日、男子ハンドボールの日本代表メンバー発表の会見で、藤坂選手はチーム最年少、当時21歳で大学生から唯一、選出されました。藤坂選手は「日本体育大学の藤坂尚輝です。ハンドボールを始めた時から夢だったオリンピックという舞台で、持ち味のスピードを活かして頑張りたい」と抱負を述べました。
藤坂選手は鯖江市出身で、2人の兄やハンドボール選手だった父の影響で、3歳からボールを触り、幼少期からチームの中心選手として活躍しました。
北陸高校ではキャプテンを務め、現在は日本体育大学の4年生です。身長は180センチと選手としては小柄ですが、初の日本代表の座を勝ち取りました。「持ち味はスピードのある一対一。外国人相手に間を割っていきたい」と藤坂選手は意気込んでいます。
吉田圭吾アナウンサー:
「7月1日。きょう誕生日を迎えた藤坂尚輝選手。パリオリンピック日本代表として
初戦を迎えます」
22歳の誕生日に、東京・代々木第一体育館で行われた日本代表対フェロー諸島の国際親善試合で、藤坂選手はスタメンの司令塔として代表デビューを果たしました。
試合は開始早々、藤坂選手が自慢のスピードを見せつけます。試合後、藤坂選手は「チームの先輩からも一発目行って来いと言われた。自分がやれることが分かって良かった」と当時の状況を振り返り、「シュートを打った時におぉーっと声が聞こえてうれしかった。小さくても間を割っていけるプレーを見せられてよかった」と話した通り、この試合、チーム最多の5得点を獲得し、バックパスでアシストも決めるなど、堂々としたプレーを見せました。
しかし、試合終盤でパスミスから失点。「終盤にかけてのちょっとしたミスが目立ったので、しっかり修正して周りとコミュニケーションを取っていきたい」と課題も見つかったデビューとなりました。
試合後、オルテガ監督は藤坂選手の印象について「藤坂はいいプレーをしたが決断でミスもあった。まだ経験がないだけでこれから素晴らしい選手になっていくだろう」と今後に期待を込めています。
藤坂選手に福井への思いについて聞くと「福井に帰省した時に所属したチームに顔は出しているので、福井で毎日頑張っている生徒たちに刺激になるようなプレーができたらいいなと思う」と話しました。
また、実業団のハンドボール選手として活躍した父親や、同じくハンドボール選手の兄、という家族については「今年で兄も現役引退して、ハンドボールで両親を喜ばせられるのは自分だけなので、今までの感謝を届けられたら」と思いを込めました。
最後に藤坂選手は「福井や日本のハンドボール界を盛り上げるために、パリで活躍してきます!ぜひ応援お願いします」と県民へのメッセージを話してくれました。
先日行われた藤坂選手の激励会で、藤坂選手のお父さん、高校時代の監督、元チームメイトに藤坂選手の人柄について聞きました。
藤坂選手の父・明雄さん:
「小さいときから両親をオリンピックに連れていくと約束していたから、本当にびっくりしている。負けず嫌いなのを内に秘めている。小さい頃から大事な大会になると何を繰り出すか分からないプレイヤーなので、わくわくするようなプレーをやってほしい」
北陸高校ハンドボール部・福村正巳監督:
「普段はかわいらしい生徒で、プレーとは真逆のようなタイプ。ハンドボールに正面から向き合っていたし、誰よりもストイック。後は思い切りやるだけ」
元チームメイト:
「対戦すると、目の前から消えるぐらいの速い選手」
「先輩をいじってくるが、可愛げがあり憎めない存在」
パリオリンピック男子ハンドボールは、日本時間の7月27日から予選が始まります。
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