照ノ富士(右)が寄り切りで明生を降す=ドルフィンズアリーナ

大相撲名古屋場所(15日、愛知・ドルフィンズアリーナ)

○照ノ富士(寄り切り)明生●

 横綱が土俵を引き締めている。先場所を途中休場した照ノ富士が3月の春場所で苦杯を喫した明生に快勝し、昨年5月の夏場所以来となる連勝発進だ。

 照ノ富士は「久しぶりに(しっかり)当たれたので良かった」。立ち合いで踏み込みよく体をぶつけて明生を下がらせた。さらに右でおっつけて上体を起こし、相手に何もさせずに寄り切った。

 大関がこぞって負けた初日を、横綱は白星で飾った。しかし、2場所連続で途中休場した影響はあり、初日の取組後は「足腰がばたついている。練習できていないのがそういうところに出ている。徐々に直していければ」と語っていた。だが、真っ向勝負が身上の相手を力強くはね返し、自らに抱いていた不安を払拭(ふっしょく)しつつある。

 初日には「白星も大事だけど相手より自分との戦い」。2日目も「基本的に相手うんぬんより自分の体をメインに考えている」。両膝や両肘、両足首に装具や分厚いテーピングをつけて土俵に上がる横綱にとって、本場所は自らとの戦いの場と考えているようだ。

 今場所については満身創痍(そうい)の体との向き合い方もつかみつつある。優勝9回の第一人者が15日間を務め上げれば、おのずと場所も締まってくる。【荻野公一】

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