(2011年4月24日、静岡・川奈ホテルGC富士コース=6464ヤード、パー72)
5打差の8位から出たプロ3年目、21歳の金田久美子が7バーディー、1ボギーの66をマーク、通算5アンダー、211で逆転のツアー初優勝。賞金1440万円を獲得した。
2打差の2位は李知姫(韓国)。さらに1打差の3位に藤田幸希とヤング・キム(韓国)が入った。
前日首位のアン・ソンジュ(韓国)は11位に後退し、有村智恵は17位。横峯さくら、諸見里しのぶは27位だった。」
順位 | スコア | 選手 | 計 | 1R | 2R | 3R |
---|---|---|---|---|---|---|
優勝 |
-5 |
金田久美子 |
211 |
70 |
75 |
66 |
2 |
-3 |
李知姫 |
213 |
73 |
72 |
68 |
3T |
-2 |
藤田幸希 |
214 |
71 |
74 |
69 |
ヤング・キム |
214 |
72 |
69 |
73 |
精神面で成長「冷静にプレーできた」
優勝者に贈られる白いブレザーを着た金田の表情は輝いていた。首位に5打差をつけられていたが「ゴルフは最後まで何が起こるか分からない」と自らに言い聞かせて最終日に臨んだ。5打差をひっくり返しての勝利は、2008年の上原彩子らと並ぶ今大会の最大差逆転優勝劇。「冷静にプレーできた」ことを勝因に挙げ、「自分がこんなに冷静にプレーできたことに驚いた」と精神面の成長を強調した。
3歳でゴルフを始め、タイガー・ウッズ(米国)に並ぶ8歳で世界ジュニアを勝って「天才少女」と注目を集めたが、09年のプロ1年目から苦節の日々を送った。開幕から4戦連続予選落ちするなどし賞金ランキング54位でシード権を取れず、ツアー出場権を争うクオリファイングトーナメント(QT)も88位に。10年の出場は8試合にとどまった。
「地獄でした。ゴルフ場を見るだけで涙がこぼれた」と当時を思い出して今でも涙するほど。父の弘吉さん(67)は「ジュニアで成績を残したプライドがあり、それとの戦いだったのでしょう」と娘の苦しかった胸の内をおもんぱかった。
屈辱をはね返すように練習に打ち込んだ。石川遼のトレーナーでもある仲田健さんに付いて体力強化を図り、「大会の2、3日目にスコアを伸ばせるようになった」と手応えを感じた。実際、今季は開幕から7、12位と結果になって表れた。
この日も1番で「これを入れたらいけるね」とキャディーと話した2メートルの難しいフックラインを沈めてバーディーを奪うと、ショット、パットともさえて3番から3連続バーディーを含め5バーディー。前半で2位に躍進すると、後半も勢いは衰えなかった。「練習は噓をつかない。自信を持ってプレーできた」と語気を強めた。
「時間がかかった」と振り返った初優勝で賞金ランキング首位に躍り出た。平成生まれの21歳は「これに満足せず、さらに上を見て勝ちたい」とさらなる飛躍を期した。(松本恵司)
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