4月13日(金)に開幕した日本最大級のレース、スーパーGTの2024シーズン。

この新たなシーズンに大きな自信を持って臨む2人のドライバーがいた。

2023年のGT500クラスのチャンピオンチーム、TGR TEAM au TOM'Sの坪井翔と山下健太だ。

山下健太:
元々坪井選手ともいつか組めたら面白いよね、という話をしていたこともありました。

坪井翔:
歳も同い年なので、ようやく組めるチャンスが来たというところですごく楽しみです

今シーズンはチームのエース、坪井翔の相棒が変わり、2019年に王者獲得経験のある山下健太が新加入。28歳、同い年の新コンビでGT500クラスの連覇を目指す。

坪井:
個人的にはかなり最強のパッケージで、環境でレースができるんじゃないかなと思っているので、しっかり今年もチャンピオンを取れるように頑張りたいです。

週末、2万4000人ものファンが駆けつけた開幕の地、岡山国際サーキット。

土曜日に行われた公式予選では、Q1とQ2の2回の予選を各ドライバーが1人ずつ走行。それぞれのコース1周(3,703m)の最速タイムを合算して順位を決める、新予選方式となった。

まず予選・Q1に臨んだのは山下。

日中の気温が27度まで上がり、急激に温まった路面に苦戦を強いられ、全体5位でフィニッシュ。

チームスタッフ:
コースのコンディションは朝の練習時とは違う?

山下:
全然違います。

それでも続く予選・Q2の坪井は。

「Q1の山下選手のフィードバックの結果、Q2に向けての車の調整も上手くいっていました」

山下の情報も生かし、圧巻のドライビングでトップのタイムをマーク。

2本の合計タイムで1位を勝ち取り、決勝のポールポジション(最前列からのスタート)を獲得した。

坪井:
(Q2のアタックラップの序盤で姿勢を乱した時は)正直終わったなと(苦笑)。ポール(獲得)は無理だという失敗だったので、その後も(気持ち的に)メチャクチャで。ただクルマはすごく良かったし、午前の公式練習での好タイムで走りを掴んでいたので(何とか1周をまとめた)。合算でもポールはポール。これ以上ない結果だと思います。

山下:
(合算で予選1位は)坪井選手のお陰です。Q1は嫌ですね。(Q1は5位とチームの)足を引っ張っている感があって(苦笑)。その(合算前の)0.3秒差をひっくり返した坪井選手が半端ないっすね。

仲間同士でタイムをカバーし合うのもスーパーGTの魅力だ。

そして迎えた14日(日)の決勝(1周3,703m×82周)。

先陣を切るのは予選・Q2で好タイムを記録した坪井。

レースはスタート直後からクラッシュが多発。

2周目からセーフティーカーが導入されるなど、異なるクラスの車が混走しあうスーパーGTならではの波乱の幕開けとなった。

それでも先頭を走る坪井は動じない。

山下もピットから見守る中、2位と約10秒の差をつけピットイン。スーパーGTではレース中、最低1回のドライバー交代が義務となっている。

計300kmを走るレースの中で重要なのが、このピットでの作業スピード。メカニックたちの手際の良い作業もあり、首位をがっちりキープ。

残り50周で後を託された山下。

「チームからは50周くらいあったので『タイヤをしっかりマネジメントして』と言われました。組み立てとしては良かったと思います」

タイヤのコンディションも調整しながら、坪井が作ったリードをしっかりと守り切った山下。

一度も先頭を譲ることなく、見事ポール・トゥ・ウインで開幕戦のチェッカーフラッグを受けた。

36号車、TGR TEAM au TOM'Sは昨年の第7戦から年越しで見事な3連勝となった。

山下:
(後半が)長くなるのは予定通りなので、だいぶタイヤを労りながら走りました。ラスト10周からペースを普通にしたのですが、結局タイヤが余ったかな、という程コントロールできました。チーム全員で良い仕事をしました、という感じですね。(第2戦・5/4の富士も)2連勝を狙って、チャンピオン目指して頑張ります。

坪井:
GTは2人1組でやるレースなので、それぞれの走り方やキャラクターってあると思うので、そこら辺をしっかり擦り合わせしてやらないといけないので、より個人スポーツと言うよりは、チームスポーツなのかなと思います。山下選手とチームと一緒にレースを組み立てて、ブッチギリで求めていたポール・トゥ・ウインができて本当に嬉しいです。

チーム一丸で開幕戦を制したTGR TEAM au TOM’S。

今シーズンも、その走りから目が離せない。

(映像提供:GTA)

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スーパーGT2024
5月3日(金・祝)4(土・祝)第2戦・富士スピードウェイ
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