パリオリンピックまで15日。
ビーチバレーの会場はエッフェル塔の前、ブレイキンはコンコルド広場、フェンシングはグランパレなど、パリ全体がオリンピックの舞台になります。
一方で、警備の方も着々と進んでいます。
パリ警視庁が公開した映像では、開会式が行われるセーヌ川をはじめ、いたるところで訓練が行われています。
真っ暗な地下通路も入念に警備訓練が行われています。
実は、パリ市内には「カタコンベ」という世界最大級の地下墓地があり、大きな地下空間が広がっています。
これは昔作られた墓地で、ここに埋葬されているご遺体の数は600万ともいわれています。
地下道に骸骨がたくさん並んでいて、一部は観光名所になっているような場所です。
しかし、この地下道は無限に広がっていて、テロリストや犯罪者などが潜伏するおそれも出ています。
そのため、パリ警視庁の特殊部隊は、暗視カメラをつけて警備や訓練をしているそうです。
壁にはたくさんの落書きなども見られるため、すでに人が入った形跡もあるということです。
今回、最高レベルの警戒態勢が敷かれているということですが、過去と比べてみると、例えば2012年のロンドンオリンピックの際は、警察と軍隊あわせて3万5000人という人数でした。
今回のパリオリンピックでは、警察・軍隊あわせて最大4万5000人、そして民間も含めると8万人態勢で警備が行われる予定です。
そしてパリ警察は、事前にテロとの関連が疑われる人物の捜査も着実に進めていて、5月末にはオリンピックの会場でテロを計画したとして、ロシア南部チェチェン出身の男を逮捕しています。
ですが、これだけ準備を進めても不安定要素もあります。
先週の選挙でマクロン大統領の与党が敗北して、次の政権のめどが立っておらず、オリンピック開幕の8日前に議会が始まりますが、まだ首相がどうなるか、そして警備の責任者である内務大臣も、まだ決まっていない状況。
とりあえずは前任が続けるということです。
そんな中、7月7日に左派の支持者らがパリ中心部の広場で集会を開いた際に、警察官と激しく衝突する事態も起こっていて、テロ以外にも、こうした衝突などが起こる可能性があるということです。
パリでは、大きなスポーツ大会で暴動が起きることもあります。
2018年のサッカーワールドカップでは、フランスが優勝して最初はお祝いムードでしたが、興奮した一部の市民が暴徒化して、シャンゼリゼ大通りで略奪行為などを行い、逮捕者が出ました。
こういったことは、大通りのど真ん中、略奪狙いで高級ブランド店の前などで起きるといいます。
フランスの日本大使館もオリンピックの安全に関するページを公開しているということです。
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