サッカーU23(23歳以下)日本代表のFW細谷真大選手(22)は、パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねた15日開幕のU23アジア・カップに臨んでいる。所属先のJ1柏レイソルは、同じくU23代表に選ばれたDF関根大輝選手(21)を合わせ、攻守の主力2人を最長で1カ月近く欠くことになる。この期間をどう戦い、何を思うのか。
「代わりに入る選手は同じようにチームのコンセプトを意識しながらやらせたいと思うし、やってくれると思っている。そこはぶれずにやっていきたい」
リーグ戦で開幕から7試合連続で先発出場していた細谷選手と関根選手が不在となった12日のホームでの浦和レッズ戦を前に、柏の井原正巳監督(56)はそう語った。
MF山田雄士選手(23)も次のように決意を示していた。
「代表に行っている真大たちが気持ち良く代表でプレーできるために、僕たちが勝って後押ししたい」
浦和戦は、細谷選手の定位置だったツートップの一角にFW小屋松知哉選手(28)が入った。過去のリーグ戦で7試合連続で勝てていない相手に対し、柏は前半から小屋松選手らが最前線で献身的な守備を見せ、浦和にリズムを作らせなかった。浦和のFW興梠慎三選手(37)が特に前半について「相手(柏)が良かった。前からのプレスもはまっていた。それにのまれてしまった」と語るほどだ。
FWが果敢にハイプレスを仕掛けるのが柏のスタイルで、細谷選手の強みでもある。小屋松選手は試合後にこう振り返った。
「2人(細谷選手と関根選手)がいてくれた方がプラスだけど、いなくてもチームとして共通意識を持って戦えた。それがJリーグで上を目指すために必要なこと」
後半27分、FWマテウスサビオ選手(27)の右クロスに、途中出場のFW木下康介選手(29)が右足ボレーで合わせて決勝点を挙げた。
「ゴール前に立っていれば、味方の選手が良いボールを上げてくれると信じていた」
今季、チーム最多4得点と決定力が光る木下選手はそう話す。試合は1―0で終了。リーグ戦では昨年9月の横浜F・マリノス戦以来、約7カ月ぶりとなるホームでの勝利に、サポーターは沸き立った。
「真大やセキ(関根選手)は国を代表する選手だが、彼らに代わって入った選手たちも普段から準備している。ピッチに立つ11人だけがレイソルを象徴するのではない。チームとして勝ち取ったこの1勝は、非常に価値のある1勝だ」
マテウスサビオ選手はそう力を込めた。五輪の切符を得るために戦う細谷選手らを、最高の形で後押しした。【構成・高野裕士】
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