杉村太蔵さん(44)が出場するテニス大会が来週に迫った。本番を前に、テニス界のレジェンド・伊達公子さん(53)が練習に参加。伊達さんが杉村さんに送ったアドバイスとは?
■伊達公子さんが練習視察
テニス大会を間近に控え、練習に熱が入る杉村太蔵さん。それをコートの片隅で、見つめていたのはテニス界のレジェンド・伊達公子さんだ。
杉村さん
「ほんとありがとうございます」
元プロテニス選手 伊達さん
「駆けつけました!」
杉村さん
「ほんとありがとうございます。あれからもう2年」
伊達さん
「苦しみながらも楽しそうにしている姿を追い続けて(見ていました)」
実は、杉村さんがテニスを再び始めたのは、2年前の伊達さんとの対談がきっかけだった。その時、杉村さんが目標と話したのが「毎日テニス選手権」への出場で、それが現実のものになった。
そんな縁もあり、時間を作って練習を見にきてくれたのだった。
伊達さんと言えば、オリンピックに2度出場し、世界で大活躍したプロテニスプレーヤー。得意のショットが、ボールが大きく弾む前に素早く打ち返す「ライジングショット」だ。
相手のショットの勢いをそのまま利用し、強いボールを返す。体格で上回る外国人勢と戦うために身に付けた「伊達公子の代名詞」だ。
テニスの4大大会、「全仏オープン」「ウィンブルドン」では、シングルスベスト4に進出した。
大会を目前に控えた杉村さんに、伊達さんはどんなアドバイスを送ったのか?
伊達さん
「混ぜるのがいいと思う」
■伊達流の助言「幅を広げることが大事」
優勝を目指す杉村さんに、テニス界のレジェンド・伊達さんは、どんなアドバイスをするのか?
杉村さんの専属コーチ・長野宏美さんと練習試合を見つめる。まず注目したのは…。
伊達さん
「サーブいいですね。今スマッシュ見ていてもすごい、肩の動きがやっぱり(いい)」
肩の動きが柔らかく、繰り出されるサーブは、伊達さんから高評価だった。
そして、伊達さんは長野コーチに「何割ぐらいサーブ&ボレーやるんですか?」と質問をすると、長野コーチは「半分いかないくらい。試合によっては7割くらいやったりする時もある。去年(の大会)はほぼ100%サーブ&ボレーだった」と答えた。
杉村さんが得意とする「サーブ&ボレー」に、伊達さんは何か思うところがあるようだ。
練習試合は進み、杉村さんのサービスゲーム。ここでポイントを取られると、相手にゲームを奪われる重要な局面。杉村さんが選択したプレーは「サーブ&ボレー」だったが、ミスをしてしまった。
長野さん
「(ゲーム)落としちゃいましたね」
伊達さん
「相手のブレイクポイントでサーブ&ボレー。よくなかったなー流れ的にね。よほどね『流れを変えたい!』という時に、それはそれで策としてアリだとは思うんだけど。流れを(相手に)渡したくない時にというのは、ちょっと難しいかなって」
ピンチで得意なプレーに固執すると、相手に読まれ、うまくいかない。そういう時こそ別のプレーで幅を広げることが大事。世界の舞台で、修羅場をくぐり抜けてきた伊達さんならではのアドバイスだ。
伊達さん
「(色々なショットを)混ぜるのがいいと思う」
長野さん
「やっぱりバリエーションをつけるっていう?」
伊達さん
「(バリエーションをつけるの)がいいと思う」
■伊達さん「勝てる試合をしてください」
そして、伊達さんのもう一つのアドバイスが、バックハンドのリターン。実は、杉村さんのリターンは、ほとんどがコートの奥を狙う、深めのボールばかりだというのだ。
伊達さん
「もうちょっと短めに刻んでもいいんじゃないかな。ちょっと深いでしょう?」
長野さん
「そうですね」
伊達さん
「(深いと)相手がそんなに嫌がるボールになりづらいのかなあと。もっと浅めの方が持ち上げなきゃいけなくなるから(嫌がる)。真ん中でもいいから浅めとか」
もっとネットに近いところを狙うことでコートが広く使え、相手を動かすことができるというアドバイスだった。
杉村さんは、伊達さんのアドバイスを生かすべく、長野コーチと浅めに返すショットを重点的に練習した。
いよいよ来週、大会を迎える杉村さんに、伊達さんはこう声をかけた。
伊達さん
「テニスは相手があるスポーツなので、相手がどうやったら嫌がるかとか、何を今する方がいいっていう判断ができると、全然試合の流れが変わるんじゃないのかなというのは感じました。いいテニスをしようと思いすぎず、勝てる試合をしてください。応援しています」
■34年ほど前にも伊達さんと縁が
杉村さんにとって伊達公子さんは「憧れ」であり「目標」の人なんだそうだ。
実は今から34年ほど前の1990年ごろ、北海道の旭川で新しい室内コートができた時、オープニングイベントに伊達さんがゲストで参加。この時、ある小学生とペアを組んだのだが、それがなんと杉村さんだった。
以来、杉村さんにとって伊達さんは選手としての憧れであり目標にもなっていたのだそうだ。
伊達さんは37歳の時に、12年のブランクを経てカムバックしている。同じくブランクを経て挑戦している杉村さんに伊達さんは「何かにチャレンジして、目標に突き進むことの楽しさを今感じていると思う。それが再チャレンジの醍醐味(だいごみ)」と話した。
そして大会までのアドバイスは「自分の不安な部分をいかに消せるかが大事になってくる。本番までの練習でトライしておくのがいい」と話した。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年6月26日放送分より)
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