全日本学生柔道優勝大会を制し、涙を浮かべながら拳を突き上げる東海大の新井道大(左)と東郷丈児=日本武道館で2024年6月23日、北山夏帆撮影

柔道 全日本学生優勝大会最終日(23日、東京・日本武道館)

男子決勝 ○東海大2―1天理大●

 東海大を2年ぶりの優勝に押し上げたのは、19歳の2年生だった。天理大との決勝。両校とも1点ずつ取り合って迎えた6人目の副将戦で、新井道大が畳に向かった。

 試合時間は4分。積極的に攻めにいった新井は序盤に大内刈りで技ありを奪うと、残り約1分のところでハイライトが訪れた。新井は抑え込みに来た天理大の神田雄志(4年)の体位を入れ替えて逆に抑え込んだ。横四方固めで合わせ技一本。勝利を確信し、応援席に向かって力強く拳を突き上げた。

 昨年は決勝で国士舘大に敗れて連覇を「6」で止められ、上水研一朗監督は「1回負けることの重さを思い知らされた」と振り返る。新井も昨年は3人目の五将を務め、引き分けに終わった。大会後の1週間は1年生にもかかわらず「決勝の舞台で戦っているのに点がとれなかった。負けは自分のせいだ」と敗戦を背負い込んだ。

 しかし、新井は1年で大きな成長を見せた。柔道での悔いは柔道で晴らすと心に決め、稽古(けいこ)と向き合った。体は一回り大きくなり、分厚い背中は成長の証し。投げ技にも磨きがかかった。世界大会でも結果を残し、2年生ながらチームのエース格に。頼もしい姿で王座奪還に導いた。【高橋広之】

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