【横浜マ-柏】相手ゴール前へ走り込む柏の細谷真大選手(手前)=横浜市港北区の日産スタジアムで2024年5月29日、高野裕士撮影

 サッカー・J1柏レイソルのFW細谷真大選手(22)が、大きな差を見せつけられた試合があった。5月29日のJ1リーグ戦、アウェーの横浜F・マリノス戦だ。0―4の大敗を喫し、相手のエースFWにはハットトリック(1試合3得点)を許した。柏のエースとして感じたこととは。

 「守備がはまらず、自分たちの思うようにいかなかった。戦術的に合わなかった分、強度で(ボールを)取り返すことが必要だった」

 細谷選手は試合後、真っ先にそう話した。横浜マは柏戦の前に、25日(日本時間26日未明)にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦でアルアイン(アラブ首長国連邦)とアウェーで対戦したばかり。1―5の大敗で初優勝を逃した上に、長時間の移動を挟んでの連戦だったが、心身共に負担がかかっていることを感じさせない高いパフォーマンスを見せつけられた。

【横浜マ-柏】相手GKにプレスをかける柏の細谷真大選手(中央)=横浜市港北区の日産スタジアムで2024年5月29日、高野裕士撮影

 「相手は4点取っている。(攻撃の)クオリティーはやっぱりマリノスさんの方が上だった」

 超攻撃型の「アタッキングフットボール」を掲げ、2021~23年には3季連続でJ1最多得点数をたたき出した横浜マの力を、細谷選手は素直に認めた。

【横浜マ-アルアイン】アジア・チャンピオンズリーグ決勝第1戦でボールを追う横浜マのアンデルソンロペス選手=横浜市港北区の日産スタジアムで2024年5月11日、藤井達也撮影

 中でも、横浜マのブラジル出身のストライカー、FWアンデルソンロペス選手(30)には前半11分にPKで先制点を奪われ、後半20分にはゴール前の混戦から、試合終了間際にはカウンターからダメ押しのゴールを決められた。相手エースの姿から感じたことをこう語った。

 「PKを含め、しっかり(シュートをゴールに)沈めてくる選手。ACLが終わった後の重要な一戦で点を取ってくるあたり、『さすがエースだな』と思う。見習わなければいけないところがある」

 アンデルソンロペス選手は昨季のJ1リーグ戦で22得点を挙げ、ヴィッセル神戸のFW大迫勇也選手(34)と並んで得点王に輝いた。今季もここまで10得点で得点ランキング3位に付ける。

 フィジカルの強さと前への推進力を持ち、ポストプレーでもチームに貢献するなど細谷選手との共通点がある。相手エースから吸収したいこととして、細谷選手はこう答えた。

 「間違いなく(プレーの)質のところ。技術面もそうだし、(アンデルソンロペス選手は)しっかり点を取っている。そこは負けたくなかった」

 細谷選手は昨季のJ1で得点ランキング5位タイの14点を挙げたが、今季は13試合出場で1得点と思うような結果を残せていない。1試合当たりの平均シュート数はリーグ4位タイの3・1本を放っているだけに、決定力の向上が問われている。【構成・高野裕士】

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