第95回都市対抗野球大会(日本野球連盟、毎日新聞社主催)の2次予選・北関東大会は7日、群馬・太田市運動公園野球場で第2代表決定トーナメント2回戦を行った。茨城トヨペットは、先発・中島悠貴が日立製作所を5安打1失点に抑えて勝利。茨城日産は九回、田中悠也の適時打などで日本製鉄鹿島に逆転サヨナラ勝ちした。勝った2チームは8日に同3回戦で顔を合わせる。41回目の本大会出場を目指した日立と、23回目の出場を目指した日鉄鹿島はいずれも敗退が決まった。【田内隆弘】
創部4年目の茨城日産が九回に逆転サヨナラ勝ちし、日鉄鹿島の牙城を崩した。「一生懸命やっていればこういうこともあるんですね」。チームをここまで作り上げた渡辺等監督は目尻を下げた。
新人がお膳立てした。左腕・高木健人(東海大札幌)が九回途中まで2失点と粘り、九回裏、先頭の青木空良(東日本国際大)が同点ソロ。細井健人(八戸学院大)の右中間二塁打などで1死一、二塁の好機を作った。
打席にはチーム最年長、26歳の田中悠也。創部前年に入社し、渡辺監督とマンツーマンで練習に取り組んだ時期もある苦労人だ。「ここまで新人が引っ張ってくれた。何とか打ちたかった」。初球の変化球を振り抜くと、右中間を破る打球を見ながら右拳を突き上げた。「完璧な当たり。ずっとやられていた球を1球で仕留められた」と声を弾ませた。
茨城トヨペットの勝利を目の当たりにし、「我々も」と奮い立った。同じ業種で本社の距離が近く、練習環境も似ている。茨城日産の創部後初の試合も両チームで行った。次戦はどちらが勝っても初の第2代表決定戦進出となる。「日立や鹿嶋だけでなく、水戸の機運を少し盛り上げられたのでは」と渡辺監督。群雄割拠の時代を感じさせる劇的勝利だ。【田内隆弘】
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