【柏-福岡】試合終了間際、シュートを外して悔しげな表情を見せる柏の細谷真大選手=千葉県柏市の三協フロンテア柏スタジアムで2024年6月2日、高野裕士撮影

 サッカー・J1柏レイソルのFW細谷真大選手(22)が、6月の米国遠征に臨むU23(23歳以下)日本代表に選ばれた。だが代表合流直前のリーグ戦で、柏はいずれも無得点で2連敗。細谷選手は悔しさをかみ締めながら米国に向かった。

 「順位の近い相手だったし、勝ちきりたかった。自分が点を取らないと、勝てる試合も少なくなると思っている。前半は良い入りができたので、そこで1点が欲しかった」

 ホームで0―2で敗れた2日のアビスパ福岡戦後、報道陣の取材にそう語った。雨に見舞われたこの試合は、両チームの決定力の差が表れた。柏のシュート16本に対し、福岡はわずか3本。福岡の1点目は不運な形でのオウンゴールだったとはいえ、柏は主導権を握りながら試合をものにできなかった。

【柏-福岡】雨にぬれたピッチでボールをコントロールする柏の細谷真大選手(右)=三協フロンテア柏スタジアムで2024年6月2日、高野裕士撮影

 自身にも決定機があった。前半13分ごろ、FWマテウスサビオ選手(27)のパスで相手DF陣の背後に抜け出し、ループシュートを狙ったが、両腕を懸命に伸ばした福岡のGK村上昌謙選手(31)の好セーブに阻まれた。

 「(ループシュートを)読まれた感じ。前半の最初からサビオと良い関係を作れたので、あそこで1点を取っていれば、また違う展開になっていたと思う」

 柏は5月29日のアウェー、横浜F・マリノス戦で0―4の大敗を喫していた。その試合後、細谷選手は「連敗しないことが一番大事。この大敗の悔しさを福岡戦で晴らしたい」と語っていただけに、不本意な形になった。

 横浜マ戦は、米国遠征に臨むU23日本代表のメンバー発表の前日だった。横浜マ戦後、細谷選手はこう語っていた。

 「メンバーに選ばれたら、しっかり結果を残したい。これが(パリ・オリンピック前の)最後の集まり。アメリカにも借りを返したい」

 パリ五輪のメンバー発表前では最後の代表活動となる米国遠征では2試合を予定している(1試合は非公開)。米国は昨年10月の親善試合で1―4で完敗した相手で、パリ五輪にも出場する。

 「(五輪)出場を決めているチームにはあまり勝てていない。自分もその試合(昨年10月の米国戦)に出ていた。しっかり勝ってパリに臨みたい」

 パリ五輪の出場権を獲得した4~5月のU23アジア・カップで見えた課題から、米国戦でチームとして確認したいことも挙げた。

 「セットプレーもそうだし、守備でも(U23アジア・カップでは)失点する場面はあった。そこは見つめ直していかないといけない。またアジアとは違う強度や戦い方だと思うので、しっかり準備して臨みたい」【構成・高野裕士】

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