2年連続で1部昇格を逃し、うなだれるアルティーリ千葉の選手たち=千葉ポートアリーナで

 悲願の昇格はかなわなかった。バスケットボールのBリーグは12日、1部(B1)昇格を懸けた2部(B2)プレーオフ(2戦先勝方式)準決勝を千葉ポートアリーナ(千葉市)などで行い、アルティーリ千葉は越谷アルファーズに競り合いの末、72-75で惜敗。11日の第1戦に続く連敗を喫し、無念の残留が決まった。千葉ポートアリーナで18日から始まる、山形ワイヴァンズとの3位決定戦に回る。(平野梓)  しばしぼうぜん、こみ上げてくるのは涙…。試合終了後、アンドレ・レマニス監督は「非常に残念な結果になってしまった。ただこれだけの成績を全員で残せたことを素晴らしく思うし、常に全員で戦い続けた証し」とねぎらったが、受け入れがたい現実に選手たちはコート上でうちひしがれた。  レギュラーシーズンでは、圧倒的な強さで連勝を重ね、史上最高勝率9割3分3厘を刻んでいた。11日の第1戦は延長戦にもつれるも、93-97で落とした。後のなくなった第2戦。リーグ最多を更新する6031人の観客を動員し、会場の雰囲気も最高潮に達していた。  「そこまでプレッシャーはなかった」と主将・大塚裕土(ゆうと)選手(36)は言うが、一発勝負のプレーオフはひと味違ったのかもしれない。いつもなら入るはずのノーマークのシュートが入らず、最大10点差を追う展開に。ただ終盤に追い上げ、残り1分38秒で逆転。16秒の時点で再逆転を許したが、その直後のフリースローのチャンスをものにできず、逆に相手に沈められた。  チームは昨季もレギュラーシーズンを優勝しながら昇格を逃した。  「アルティーリがいなければ、僕らがここまで成長する過程を踏めなかった」と越谷アルファーズの安斎竜三監督が語る通り、2部の絶対王者として、リーグのレベルを引き上げたことは間違いない。  波乱の後、レマニス監督は選手たちに声をかけた。「どんなことも人生と同じように、スムーズにはいかない。チャレンジを続けないと」。まだリーグ参戦3季目。ここで終わるわけには、いかない。

◆金銭面で難しいと判断

 米プロNBAで6シーズンを戦い、来季から日本でのプレーを表明した渡辺雄太選手(29)に対し、アルティーリ千葉が獲得を断念したことが分かった。関係者によると、エージェントに接触したものの、金銭面で難しいと判断したという。  昨夏のW杯でも日本代表だった渡辺選手には、複数クラブが獲得の意思を示しており、推定年俸はBリーグ最高を上回る3億円超ともいわれている。アルティーリ千葉は今季の実績から“渡辺雄太争奪戦”の有力候補とみられていたが、撤退を決めた。 

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