アーティスティックスイミング(AS)で長年、日本代表ヘッドコーチを務めた井村雅代さん(73)と、ソロで世界選手権を2連覇し、昨年現役を引退した乾友紀子さん(33)が12日、石川県輪島市の町野小学校で講演した。井村さんは「私たちは決してみなさんのことを忘れていない」とエールを送った。

シャツを手にした谷内和希さん(右から2人目)との記念撮影に応じる井村雅代さん(同3人目)と乾友紀子さん(右)=12日、石川県輪島市町野小で

◆サイン入りシャツ「子どもたちを元気に」

 井村さんは1995年の阪神大震災で自分たちの練習拠点であるプールが被災し、中国代表チームを指導していた2008年には四川大地震を経験した。「自然の力には勝てないが、人間はそこで絶対につぶれない。人間には立ち上がろうとするしつこさがある」と強調した。  パリ五輪代表に選ばれた木島萌香選手(24)=石川県白山市出身=と能登半島地震発生直後、交わしたやりとりなども紹介した。  乾さんはこれまでの競技人生を振り返り、指導者として「少しでも世界での経験を伝えていきたい」と語った。ジャンケン大会もあり、最後まで勝ち残った人には2人のサインが入ったシャツが贈られた。  東陽中学校教諭の谷内和希さん(22)はシャツを手にし「学校に飾りたい。子どもたちが少しでも元気になってくれたらうれしい」と笑顔だった。(郷司駿成) 

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