18歳を表す1と8のバルーンを手に記念撮影する振り袖姿の新成人=三重県伊賀市文化会館で2024年5月4日、大西康裕撮影

 成人年齢を引き下げた民法改正に伴う三重県伊賀市の2度目の18歳成人式が4日、市文化会館(西明寺)であり、561人の新成人が参加した。岡本栄市長は18歳成人式の1回目の開催以降「定着した」との認識を示しているが、「定着」に疑問を持つ参加者もいた。

 市教育委員会によると、対象者は2005年4月2日~06年4月1日生まれで一部19歳を含む。参加率は75・10%だった。23年の初めての18歳成人式より4・27ポイント下がった。

実行委が企画した成人式のイベントでスマホの明かりを揺らす新成人=三重県伊賀市文化会館で2024年5月4日、大西康裕撮影

 この日の伊賀市の中心部の気温は今年最高の29・3度と7月上旬並みになり、市は冷房を効かせ、職員らは「館内は涼しいですよ」と入場を促していた。振り袖で玄関前にいた大学1年の橋本もえさん(18)は「首の辺りがあつい」と話し、成人と18歳成人式については「実感がありません。(3月に高校を卒業したばかりで)懐かしさがほしい」と語った。スーツ姿の同、北森太樹さん(18)は「成人した感じがしないけど、親に頼れなくなる」と語ったが、18歳成人式は「もの足りない。定着は厳しいと思う」と話した。岡本市長はあいさつで「皆さんは日本でも数少ない貴重な体験をしている」と18歳成人式の実施を自賛し、式後の取材に「20歳の成人式を続けるのは後ろ向き」と持論を話した。

 式で新成人を代表して同、中野綾花さん(18)が「誓いのことば」を述べた。式のイベントは中野さんを委員長とする新成人5人の実行委員会が企画。中野さんが前部長だった三重高校ダンス部の1~3年生約50人が舞台でダンスパフォーマンスを披露し、参加型ダンスでは新成人は座席で各自のスマートフォンの明かりを揺らした。伊賀市出身の俳優、椎名桔平さんのメッセージ文も紹介された。【大西康裕】

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