移送される金成行容疑者=水戸市で2024年5月2日午後4時5分

 水戸市中心部の小中学校が複数ある地域で2022年1月、特定抗争指定暴力団・山口組系暴力団の男性幹部が白昼に射殺された事件で、茨城県警は2日、住居不定、指定暴力団絆会若頭、金成行容疑者(55)を殺人と銃刀法違反容疑で逮捕、送検したと発表した。逮捕は4月30日付。

 逮捕容疑は22年1月17日午後1時45分ごろ、氏名不詳者と共謀し、水戸市元吉田町の3次団体事務所で同団体の神部達也幹部(当時40歳)に拳銃を数発発砲し、殺害したとしている。県警は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。

 犯行時、金容疑者は20年9月に別の絆会幹部に発砲して重傷を負わせたとして殺人未遂容疑で長野県警に指名手配されていた。

 茨城県警は防犯カメラの映像や目撃証言などから金容疑者の関与を調べ、22年5月に逮捕状を請求し行方を追っていた。

 事態が動いたのは24年2月。匿名の情報提供を受けた長野県警が金容疑者を逮捕。4月25日に茨城県警が長野から身柄を移送した。

 絆会は15年に山口組から分裂した「神戸山口組」から更に一部が離脱し17年に結成した。捜査関係者によると21年末、神部幹部が所属する団体と、絆会の傘下団体との間で暴力事件が起きていたといい、県警は分裂や抗争の影響を調べる。

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