栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件の逮捕者は4人となった。死体損壊容疑で逮捕された20代の4容疑者は互いに本名を知らず、知り合って数カ月ほどで、関係の希薄さが浮かぶ。
指示役とされる佐々木光容疑者（28）は2～3月、平山綾拳（りょうけん）容疑者（25）＝埼玉県越谷市＝と東京・渋谷のナイトクラブで知り合ったという。互いに名字は知らない関係で、佐々木容疑者は、「上から報酬を約束されて遺体の処理を頼まれ、『りょうけん』に下ろした」と供述しているという。
この指示を受けた平山容疑者が仲介する形で声をかけたのが、住居・職業不詳の姜光紀（カングァンギ）（20）と元俳優の若山耀人（きらと）（20）両容疑者だった。この2人と知り合ったのも、渋谷の同じナイトクラブだったとみられる。
この2人は実行役とされる。平山容疑者は「昨年末から年明けに知り合い、何度か飲んだ。『カン』『きらと』と呼び、フルネームは知らない」と供述。佐々木容疑者は「『りょうけん』が集めたので知らない」と話し、2人との面識はないという。
4容疑者はいずれも、死亡した宝島龍太郎さん（55）、妻幸子さん（56）＝東京都千代田区＝との接点は確認されていない。警視庁と栃木県警は、佐々木容疑者より上位に首謀者がいるとみている。ある捜査関係者は「容易に捜査が首謀者までたどり着かないよう、あえて複数の人物を間にかませているのではないか」と指摘している。【岩崎歩】
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