四国での新幹線開業実現に向けて理解を深めようと「四国の新幹線勉強会」が20日、高松市であり、大阪産業大工学部の波床(はとこ)正敏教授が「災害時における『四国の新幹線』の優位性」をテーマに講演した。「香川県JR四国線複線電化・新幹線導入期成同盟会」(事務局・香川県)が主催し、県内の自治体や議会、経済団体から約100人が参加した。
四国は全国で唯一、新幹線整備の具体的な計画がない地域。官民46団体でつくる「四国新幹線整備促進期成会」が国への新幹線導入に向けた要望活動を展開している。
波床教授は講演で、四国の鉄道について「トンネルや鉄橋などインフラの大半は今も開通当時のままで改良されていない」と話し、地震や水害時の危険性を指摘した。その上で、「国内の過去の大震災では新幹線も被災はしたが、復旧までの日数は在来線よりも早い」と説明。2018年の西日本豪雨で中国地方の山陽線が各地で寸断された時に「不通区間の利用者を、並行する新幹線で振り替え輸送できた」という例も紹介した。
新幹線が災害に強い理由としては、被災しやすい地形を避けたルートを選んでいる▽高架橋とトンネルを多用している――ことなどを挙げ、「四国にそのような新幹線があれば、津波や高潮、地盤の液状化、土砂災害の危険性を回避できる可能性がある」と話した。【佐々木雅彦】
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