新潟市は24日、能登半島地震による液状化現象について、有識者らが対策を検討する会議の第2回会合を開催した。市は12月から被災地域でボーリング調査を開始したと報告。調査結果を分析した上で、2025年夏をめどに、具体的な地盤対策の工法案や実施地域など液状化対策の方向性をまとめる方針を説明した。
新潟市では1月の能登半島地震で、地盤に強い揺れが加わったことで起きる液状化現象が発生。西区や江南区などで、住宅の傾きや道路がひび割れるなどの被害が相次いだ。市は5月に有識者会議を設置し、再び液状化被害が起きないよう対策の検討を始めた。
市は会議の中で有識者に対し、能登半島地震により液状化した地域は、地形や土地利用の履歴から「砂丘外縁部盛土地」「旧河道埋立地」など六つのタイプに分類できると説明。12月から原因を調べるためのボーリング調査を、西区や江南区の計27カ所で開始したと報告した。
調査結果を詳しく分析した上で、地中にコンクリート壁を設置する工法や排水パイプを地下に設ける工法など、具体的な地盤対策を25年夏めどにまとめる方針を示し、住民への意向調査は26年度以降になるとした。地震の発生からまもなく1年を迎えることから、有識者からは「調査を急ぐべき」や「住民への説明が必要」などの意見が出された。
会議では他の地域での実施事例も紹介された。16年の熊本地震で液状化被害の大きかった熊本市では事業着手まで3年、完了まで10年かかることや、能登半島地震で被災した金沢市では具体的な工法が既に固まり、早いペースで検討が進んでいることが示された。
座長を務めた長岡技術科学大の大塚悟教授は終了後、「一刻も早く対策を検討してほしいという市民の気持ちは理解している。新潟市は被災地域が広く、さまざまな被災形態がある。調査結果に基づいて、どのような対策が有効かを評価していきたい」と述べた。【神崎修一】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。