2013年に閉館した大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(手前)。奥は2025年大阪・関西万博が開催される舞洲=大阪市住之江区で2023年6月5日、北村隆夫撮影

 2013年に閉館した旧大阪市立海洋博物館「なにわの海の時空館」(住之江区)について、市は19日、跡地の利活用事業者と建物の売買契約を結んだ。近く土地の賃貸に関する契約も締結し、契約手続きが完了する見通し。2023年11月に事業予定者に決まっていたが、契約に必要な連帯保証人や保証金の準備に時間がかかり、当初の予定から約1年遅れての締結となる。

 時空館は00年に開館。しかし、来館者の低迷で毎年2億~3億円の赤字が続き、「負の遺産」とも呼ばれ、13年3月に閉館した。市は13年と20年にも利活用事業者を公募したが応募自体がゼロだった。

 23年の3回目の公募で観光コンサルタント会社「シンフォニックスリール」(大阪市)が事業予定者に決まった。しかし、同社は契約に必要な保証金などの用意が遅れ、約1年契約ができない状態が続いていた。

 市によると、建物は6160万円で売却する。25日に土地の賃貸契約を結び、翌26日に建物を引き渡す見通し。同社は、活用方法として体験型文化ミュージアム空間を作ったり、メディカルツーリズム(医療観光)関連施設を建設したりするとしている。【鈴木拓也】

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