兵庫県の斎藤元彦知事(47)に関するパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長(7月に死亡)が公用パソコンに保存していた私的情報とされるデータについて、複数の県議が前県総務部長から内容の一部を伝えられたと県議会調査特別委員会(百条委)の聞き取りに証言した。17日、関係者が取材に明らかにした。
職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならないと定める地方公務員法に抵触する可能性もある。前総務部長は10月にあった百条委の証人尋問で、データを印刷したファイルを所持していたことは認めたが、第三者に見せたかについては証言を拒否。「守秘義務違反と評価される違法行為はしていない」と述べている。
関係者によると、百条委は16日、非公開で複数の県議に事実関係を確認した。ある県議は4月中旬に前総務部長からデータを印刷したとみられる文書を見せられたと証言。別の県議も前総務部長から口頭で、データの内容について説明を受けたと証言した。
元局長は3月に匿名で告発文書を作成し、報道機関などに配布。斎藤氏から調査するよう命じられた元副知事らが同25日に元局長を聴取し、公用パソコンを押収した。元局長は4月にほぼ同じ内容を県の公益通報窓口にも通報している。県は5月7日、元局長の告発文は誹謗(ひぼう)中傷性が高く、勤務時間中に私的文書も作成していたなどとして、停職3カ月の懲戒処分にした。
週刊文春が7月、前総務部長が元局長の私的情報を職員や県議に見せて回っていたと報道。斎藤氏は8月に「本人に確認したが、していないと言っている」と説明した上で、弁護士に調査を依頼する方針を明らかにしていた。これとは別に、元局長の私的情報とされるデータがインターネット上で拡散されており、斎藤氏は12月17日、報道陣に「第三者委員会(の設置)を準備しており、そこで事実関係を確認していく」と述べた。【中尾卓英、山田麻未】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。