福岡・北九州市で中学生2人が殺傷された事件。
北九州市教育委員会によりますと、市内の学校などでは16日、4168人が事件への不安などを理由に登校を控えたということです。
このニュースについて、元大阪府警刑事・中島正純氏とみていきます。
――事件発生から4日目だが、なぜ逃走中の男が捕まらないのか?
元大阪府警刑事・中島正純氏:
今回の事件が、本当に無差別で通り魔的な犯罪であったとすれば、警察の捜査の中で一番難しいのは通り魔的な犯罪なんです。
防犯カメラの映像捜査と発生直後の現場の鑑識の証拠で地道に捜査していくしかない状況ですね。
亡くなった中学3年生の中島咲彩さん(15)。同級生たちが「咲彩さんは誰にでも優しかった。みんなが泣いていた」などと話していました。
――犯行は無差別だったのか、それとも中学生2人を狙って刺したのか。動機も分かっていない状況だが、この点について考えられることは?
元大阪府警刑事・中島正純氏:
私が第1報でこのニュースを聞いた時には、どう考えてもこれは「怨恨だな」と思ったんです。
なぜかというと、午後8時35分ということ、それとマクドナルドという店の中ということです。
それと店の中にはたくさんの人がいたのに2人だけが刺されているということを考えると、やはり怨恨かなと思ったんですが、男子生徒の話によると「全く見知らぬ人だった」ということで、それを考えると無差別の犯行なのかなと。
ただ、今のところまだ、女子生徒がどうだったかは分かっていないので、怨恨の筋と無差別の方向、両方で今、捜査していると言えます。
男はまだ逃げているということですが、新しい情報も入ってきています。
男は逃走時、灰色の上着と黒のズボンをはいていた。つまりかっちりした服装というよりは軽装だったということです。
さらに、履いていたものは、つま先が出る形状の黄色いサンダルのようなものを履いていたことが分かっています。
こうしたことから、警察は、土地勘のある人物の可能性もあるとみて捜査しているということです。
――サンダルの詳細は分かっているわけだが、この辺りはどう見るか?
元大阪府警刑事・中島正純氏:
確かに黄色のサンダルというのは、すごく目立ちますよね。しかもサンダルですから、寒い冬の中、そんな遠くから来たとは思えないということですね。ただ、土曜の夜だったんですよね。となりますと、会社が土日が休みなんですね。協力依頼をしてくれるところがあったのであれば、その時に防犯カメラの映像は確認できているんでしょうけども、基本的には休みですから、やっぱり週明けの月曜日になったんです。だから、土曜日と日曜日に隙間があったということです。
そして、不審者の目撃情報もあるといいます。
殺害現場となったファストフード店から250メートルほど離れた場所、歩いて3分ほどの場所で、「不審な男女を見た」という小学生がいたということです。
その小学生の証言によると「2人はベンチに座っていた」と話し、不審な人物が2人いたということなんです。
男が30代~40代くらい。そして、隣にいた女が50代以上ということで、その男の横に包丁のようなものとカバーが置かれていたということで、目撃した小学生によると「2人は包丁をベンチに出したまま何かを話し合ったり動画を見て笑い合ったりしていた」という情報が入っています。
こうした不審者の目撃情報多々入っていまして、警察は、複数把握しています。
ただ、この情報が犯人に結び付くものなのか、それとも見間違ったものなのかどうかは分からないということだそうです。
――こういった目撃情報は捜査に影響を及ぼすものなのか?
元大阪府警刑事・中島正純氏:
事件発生直後ですから、今回、本当に証拠が乏しいと思うんですね。となりますと、これがたとえお子さんの情報であっても警察は全ての情報に対して捜査していくということですね。だから、情報が今回、無差別的な通り魔的な犯行であれば証拠が少ないので、警察もわらをもすがるような気持ちで全て捜査していくと思います。
――「公開手配してでも早く決着つけてほしい」という声もあると思うが公開手配はできないのか?
元大阪府警刑事・中島正純氏:
まだ、時期的にはそれは早いと思いますね。
警察の捜査は、当然のことながら、どの事件でもそうなんですけど隠密で捜査していって、そして、逮捕しに行くということなんですが、これが例えば、ちょっと暗礁に乗り上げたとか、犯人の顔も分かっているとか、人着、全部分かっているとか詳細なことが分かっていればそれを公開しても効果はあると思うんですけど、ただ、これを公開してしまうと犯人も「あ、もう顔が分かってしまったんだ」と、もう二度と出てこない可能性もある。
国民すべての目がやっぱり自分に向けられるわけですから。あとは自暴自棄になって二度目の犯罪とか自殺したりとかもありますから、そういうところも心配していますね。
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