熊本地裁=栗栖由喜撮影

 熊本県内の交番で勤務中に部下の女性警察官にわいせつな行為をしたなどとして、強制わいせつ致傷罪に問われた元県警警察官の男性=懲戒免職=の裁判員裁判で、熊本地裁(中田幹人裁判長)は16日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年6月)の判決を言い渡した。県警は被害者のプライバシー保護の観点から処分を公表せず、公判も元警察官の氏名などを明らかにせずに進められた。

 判決によると、当時交番長だった男性は2023年2月3日午後11時15分~4日午前0時ごろ、交番の男性仮眠室で、部下の20代の女性警察官の服を脱がしたり、胸や下半身を触ったりして全治約10日間のけがをさせた。

 判決で中田裁判長は「直属の部下である被害者が逆らいがたいことを認識しながら閉鎖的な状況下で執拗(しつよう)なわいせつ行為に及んだことは、卑劣」と厳しく指弾する一方で、約30年間勤務した警察を懲戒免職処分になったことなどを考慮して執行猶予を付けた。

 県警の松見恵一郎首席監察官は「当時現職であった警察職員が有罪判決を受けたことを重く受け止めており、県民の皆様に深くおわび申し上げる」などとコメントした。【野呂賢治】

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