煙を上げながら次々と焼かれるニシン=山形県新庄市の最上公園で2024年4月29日午後0時11分、竹内幹撮影

 山形県新庄市の最上公園で29日、春の風物詩「新庄カド焼きまつり」が始まった。地元でカドと呼ばれるニシン。豪雪地帯でかつては冬場に鮮魚が手に入りにくく、雪解け後に酒田港経由で入荷するニシンを焼き、春の訪れを喜んだといういわれがある。香ばしい匂いに包まれた会場は大いににぎわった。

 会場内ではニシンを炭火で30~40分ほどかけてじっくりと焼くと、食欲をそそる煙が立ちこめる。寒河江市の新関一利さん(76)は「これを食べると春が来たなと思う。これから暖かくなって、緑も鮮やかになる。一番好きな季節です」と舌鼓を打っていた。

ニシンを食べる家族連れ=山形県新庄市の最上公園で2024年4月29日午前11時19分、竹内幹撮影

 新庄観光協会によると、昨年まではロシア産と北海道産ニシンを使っていたが、ウクライナ侵攻の影響でロシア産が入手困難となり、今年は北海道産のみ。開催期間の5月5日まで約4000匹を用意し、1匹1300円で提供している。今年は50回を迎え、記念イベントも開催している。【竹内幹】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。