相馬野馬追の神旗争奪戦で打ち上げられた旗を勝ち取った女性騎馬武者。20歳未満の女性は出場できる=福島県南相馬市で2022年7月24日、尾崎修二撮影

 国の重要無形民俗文化財に指定されている相馬地方の伝統行事「相馬野馬追(のまおい)」の関係者の会合が14日に福島県南相馬市で開かれ、「未婚の20歳未満」との女性の出場条件の見直しが議論された。保存会の専門委員会から「現状継続が望ましい」との意見が出た一方、見直しを求める声も上がった。出場条件を決める五郷騎馬会長会は全5地区の騎馬会ごとに議論し、来年2月までに意見をまとめて最終判断する方針を示した。

執行委員会総会で、女性の出場条件について協議する相馬野馬追の関係者たち=福島県南相馬市役所で2024年12月14日午前10時14分、尾崎修二撮影

 南相馬市博物館によると、女性の出場は戦後初開催の1947年に解禁され、53年に成人女性が初出場した。84年には「化粧をしない」のほか「未成年の未婚者」との条件が「騎馬会決定事項」で明文化された。だが、今年4月の執行委員会総会で条件の緩和を求める意見が出て、関係団体が検討に入った。

街中を練り歩く騎馬行列に出場する女性(右)。20歳未満の女性は出場できる=福島県相馬市で2021年7月24日午前11時3分、尾崎修二撮影

 この日は保存会の諮問機関、保存専門委員会から女性の出場制限について「野馬追の本質的価値である『武家文化の継承』という趣旨を勘案すると一定の意義があると考えられ、現状継続が望ましい」との見解が示された。

 一方、五郷騎馬会長会は「性別を問わず、野馬追の本質的価値を尊重し、武士らしさ、技術力、健康面、社会性などを勘案し適格性を判断していくべきものと考える」などと意見を述べるにとどめた。北郷騎馬会の牛渡康光顧問(80)は個人の見解として「社会の変化をみても一定の見直しが必要」と訴えた。【尾崎修二】

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