JR九州の子会社「JR九州高速船」(福岡市)が福岡市と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」(定員502人)の浸水を隠して運航していた問題で、JR九州が運航再開を断念し、日韓航路からの撤退を視野に検討していることが13日、関係者への取材で判明した。内部で協議し、最終判断する。
JR九州は当初、船の修理や社員の安全意識の教育を経て、運航を再開する方針を示していた。しかし、2020年に建造し、1隻体制で運航する船は就航後から船首付近の亀裂による浸水を繰り返しており、長期にわたり安全を確保できる修理が難しいとの見方も出ている。格安航空便との競争が激しい上、浸水隠しで失った信頼の回復も難しく、航路の維持が難しい状況となっている。
クイーンビートルは、2~5月に浸水を隠した状態で運航を続けていたことが、8月の国土交通省の抜き打ち監査で発覚し、9月から運休している。浸水センサーの位置をずらすなど組織的な不正も疑われており、福岡海上保安部が家宅捜索したほか、国交省も9月に行政処分をしていた。【下原知広、久野洋】
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