東日本大震災の津波で多くの児童が犠牲になり、裁判に踏み切った宮城県・大川小学校の遺族を追った映画の上映会が12月7日に岩手県盛岡市で開かれました。
原告の弁護士も登壇し映画に託した思いなどを語りました。

この自主上映会は盛岡市在住の千葉道子さんが2024年1月に宮城県の大川小学校を訪ねたのをきっかけに、防災意識を高める機会にしてもらいたいと企画しました。

ドキュメンタリー映画『生きる』の舞台・大川小学校では震災の津波で児童ら84人が犠牲となりました。

映画の中には『子どもたちは校庭に45分間待機させられたと』と証言の映像もあります。

我が子はなぜ避難できなかったのか…。
真実を知りたいと遺族が裁判に踏み切り学校や教育委員会の防災の不備を認める判決を勝ち取るまでの約10年が記録されています。

上映後には遺族側の代理人を務めた吉岡和弘弁護士と震災直後から大川小を取材している岩手めんこいテレビ・佐々木雄祐記者のトークイベントが開かれました。

吉岡弁護士は映画製作の企画者でもあり、裁判から今に至るまでの遺族への思いを語りました。

遺族原告団 吉岡和弘弁護士
「遺族にとっては、勝てば勝つほど、娘・息子は死ななくてよかったんだと裁判所が念を押していくという、ある意味非常に残酷な話。忘れてほしくないという遺族の気持ちを考えたときに映画を作れないかなと」

また佐々木記者は取材の中で感じた思いを語りました。

震災直後から大川小を取材 岩手めんこいテレビ 佐々木雄祐記者
「(遺族が)『子どもは亡くなったけど自宅はあるからまだいい方なんだ』と、厳しい経験をされている遺族でも他の人よりまだいいと言わせてしまう状況がやるせないないと思った」

訪れた人たちは遺族の葛藤に思いを馳せていました。

二戸市から来た人
「大きな出来事だったと改めて胸にしみた」

盛岡市から来た人
「『学校が子どもたちの命の最後の場になってはならない』というのはその通り。一生懸命訴え続けてきた保護者の皆さんに本当に頭が下がりました」

この映画は2023年2月の公開以来、全国で3万人以上が鑑賞しているということです。

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