拝殿の木製扉で見つかった落書き=奈良県吉野町の吉野神宮で2024年11月29日午後6時15分、山中尚登撮影

 奈良県吉野町にある国指定重要文化財・吉野神宮の拝殿で29日、木製扉にアニメキャラクターのような落書きがされているのを神宮の職員が見つけた。通報を受けた県警吉野署は悪質ないたずらとみて、文化財保護法違反の疑いで調べている。

 吉野署によると、木製扉の内側の高さ60センチの場所に、人気アニメ「アンパンマン」の顔のような形の傷(縦30センチ、横17センチ)が付けられていた。何者かが鋭利なもので傷付けたとみられる。29日午前10時半ごろ、参拝者の案内をしていた職員が発見。10月中旬ごろには傷はなかったという。

左下部分に落書きが見つかった吉野神宮拝殿の木製扉=奈良県警提供

 扉は通常は開かれており、朝から夕方までの拝観時間中は参拝者が近づける。吉野神宮によると、付近に防犯カメラを設置していたが、故障していた。

 吉野神宮は後醍醐天皇を祭る神社として明治中期に創建され、2022年9月に国の重要文化財に指定された。男性職員は「神を祭る建物なのに、このようなことがあり心を痛めている」と語った。【木谷郁佳、山中尚登】

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