入院中の子どもたちが、オンラインで愛媛県立とべ動物園(砥部町)を見学するイベントが25日、愛媛大医学部付属病院(東温市)であった。公益財団法人「愛媛腎臓バンク」(松山市)が子どもを亡くした遺族から寄付を受けたのを機に始めたイベントで、今回で3回目。子どもたちは大型モニターなどの画面越しに動物たちを見て、「ゾウの体重はどれくらいですか」「シロクマの『ピース』の好きな食べ物は何ですか」と質問するなどして楽しんだ。
生体肝移植の手術を受ける直前に生後11カ月で亡くなった女児の遺族が2014年、手術費用の募金で創設した基金を愛媛腎臓バンクに寄付。同バンクは入院中の子どもたちを元気づけようと、18年度から県内の小児病棟内でプラネタリウムなどを開催。22年度からは地元テレビ局の協力を得て動物園と院内をオンラインで結ぶ双方向型イベントに取り組む。
今回は愛媛大医学部付属病院の小児病棟に入院中の子どもたち計14人が参加し、大型モニターやタブレットで現地からの映像を楽しんだ。動物園では、飼育員らが園舎を巡り、2択クイズをまじえながらシロクマの「ピース」やキリン、ゾウ、カバ、ライオンなどを紹介。ピースの園舎では、人工保育で育てた飼育員の高市敦広さんが登場し、小さかった頃のエピソードなどを披露した。また、好きなおもちゃなどに関するクイズが出題され、子どもたちは元気に答えていた。
動物の解説を担当したとべ動物園の飼育員、山本祥菜(さきな)さんは、「子どもたちにいろんな動物を見てもらえてよかった。今度は実際に動物園に来てほしい」と笑顔で語った。【広瀬晃子】
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