外国人や聴覚障害者が利用しやすい市役所窓口にしようと、静岡県御殿場市は会話を双方向に自動翻訳し、アクリル板に表示する字幕表示システムの導入を決め、25日にデモンストレーションを行った。導入は県内初となり、2025年5月に市民課窓口と福祉担当窓口に計4台が設置される予定だ。
事業費約200万円をかけて導入するのは京セラが6月に発売した「コトパット」。グーグル翻訳を生かして134言語に対応する他、事前に登録した映像や写真、図などもアクリル板に表示できる。横浜市や京都市、福岡県警運転免許試験場が既に導入している。
デモンストレーションでは日本語から英語へ、ドイツ語から日本語へと即座に翻訳され、「観光スポット」「本人確認書類」など登録した言葉を認識すると、対応する観光地の映像や書類の写真が表示された。聴覚障害者や高齢者と対応する時は、日本語のまま字幕にする。
また、字幕システムとは別に申請書作成支援システム9台も1月から運用する。事業費は910万円。
人口約8万人の御殿場市には2878人(10月1日現在)の外国人が登録しているほか、富士山や国内有数のアウトレット施設にも多くの外国人が訪れる。勝又正美市長は「外国人にも聴覚障害者にも、分かりやすく適切な対応を取れる窓口にしたい。言語の壁を取り払えることで職員の負担軽減にもなる」と述べた。【石川宏】
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