クレーンでバージ船に引き揚げられるマッコウクジラ「淀ちゃん」の死骸=1月18日、大阪市此花区(国立科学博物館提供)

昨年1月に大阪湾で死んだクジラの処理費用が大阪市の当初見積額の2倍以上に膨らんだ問題で、市監査委員は26日、横山英幸市長に対して契約の詳細な調査をするよう勧告した。業者選定や金額算定など、契約経緯に疑義があるとしている。市民グループが今年2月、不当に高額だとして住民監査請求していた。

クジラは昨年1月に淀川河口付近で見つかり、「淀ちゃん」と呼ばれ注目を集めた。死骸は市と契約した市内の海運業者の船で和歌山県の沖合に運ばれ、沈められた。

監査結果によると、契約を担当した大阪港湾局は当初から業者1社に絞り、入札が不要な随意契約を結んだ。しかし、別の業者はより安価に対応可能だったと回答したことなどから、妥当性に疑問が残るとした。業者の示した見積書を基に算出した契約金額についても、妥当性を確認できなかったと非難した。

市は当初見積額を約3700万円と算出していたが、クジラ処理に対する補助金申請のための仮の試算だったと説明。業者との交渉を経て、昨年3月に8019万円で契約した。

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