障害者向けグループホーム(GH)の利用者から組織的に食材費を過大徴収したなどして、全国の事業所で指定更新が認められない行政処分を受けた大手運営会社「恵」(本社・東京都港区)は8日、障害者福祉施設運営会社「ビオネスト」(本社・神戸市)に全ての福祉事業を一括承継することで合意した。厚生労働省が同日発表した。
障害者GH101カ所のほか、介護保険サービス事業所など計246カ所を譲渡する。利用者が同じ家賃などで継続的にサービスを受けられるようにし、各施設の従業員の雇用も維持する。両社は今月末までに契約を結び、来年1月末までに承継を完了させる方針。
名古屋市から指定取り消し処分を受け、12月1日に指定の効力を失う同市内3カ所のGHなどについても、ビオネストが承継する。両社は今後、指定権限を持つ名古屋市と調整するとしている。
恵のGHを巡っては愛知県と名古屋市が今年6月に県内5カ所のGHの指定を取り消す処分を出した。これを受け、厚労省は恵が12都県で展開する約100カ所のGHを障害者総合支援法に基づき指定更新を認めない「連座制」を適用した。【肥沼直寛】
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