日本は2年連続で統計開始以来「最も暑い夏」となった=静岡市葵区で2024年7月7日午後4時21分、宮間俊樹撮影

 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は7日、今年の世界の平均気温が観測史上最高だった2023年を上回り、産業革命前の水準より1・5度以上高くなるのはほぼ確実だと発表した。年平均で1・5度を超えるのは初めてだという。

 国際社会は、世界の気温上昇幅を産業革命前から1・5度に抑えるという共通目標を掲げる。24年の気温だけで達成の可否を判断することはできないが、温暖化の加速で目標達成は極めて厳しい状況だ。

年平均の推移。2024年は1~10月のデータに基づく推計だが、年平均で産業革命前の水準より1・5度以上高くなるのはほぼ確実だという=コペルニクス気候変動サービス、欧州中期予報センター提供

 C3Sによると、今年1~10月の世界の平均気温は1991~20年平均より0・71度高く、23年の同時期を0・16度上回った。23年は産業革命前よりも1・48度高く、観測史上最高だったが、10月までの分析結果から、今年は23年の年平均を上回って過去最高を更新するのはほぼ確実だという。C3Sは「産業革命前より1・55度以上高くなる可能性が高い」としている。

 11日開幕の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は、早期の温暖化対策強化や、対策のための資金調達の方向性が焦点になる。C3Sのサマンサ・バージェス副所長は「世界の気温の記録において極めて重大な出来事だ。COP29に向けて、これを対策強化の契機とすべきだ」としている。【山口智】

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