マッチングアプリで知り合った男性から現金をだまし取ったとして、警視庁組織犯罪対策特別捜査隊が、住所・職業不詳の井田しずく容疑者(27)を詐欺容疑で逮捕していたことが捜査関係者への取材で判明した。
警視庁は、井田容疑者が実際に男性には会わず、SNS(ネット交流サービス)を使って恋愛感情を抱かせる「SNS型ロマンス詐欺」を繰り返し、複数の男性から少なくとも計約4300万円を詐取したとみて調べる。
逮捕容疑は2023年6月、マッチングアプリで知り合った神奈川県の男性に無料通信アプリ「カカオトーク」で、「キャバクラの給料が盗まれ、託児所代や家賃が払えずに生活が困窮している」などとうそのメッセージを送り、計約820万円をだまし取ったとしている。逮捕は10月16日。
捜査関係者によると、井田容疑者はマッチングアプリで「ゆう」などと名乗り、知り合った複数の男性に「給料が盗まれた」と身の上話をして金銭を求めていたという。
同様の手口で23年2~7月に北海道の男性が計約3200万円、24年3~5月には東京都に住む男性が計約340万円をそれぞれだまし取られていたといい、警視庁が捜査している。詐取金は借金の返済などに充てたとみられる。
警察庁によると、SNS型ロマンス詐欺の24年1~9月の認知件数は前年同期比1461件増の2570件、被害額は約159億円増の約271億円だった。【森田采花】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。