愛媛県今治市では2日の大雨で浸水被害が発生しました。四国遍路の寺でも深刻な被害を受けていて、5日も爪あとが残ったままです。
青木稜悟記者:
「四国八十八か所の仙遊寺へと続く歩き参道ですがご覧のように階段は寸断され、手すりはなんと折れ曲がっています」
激しくえぐられた参道。そして押し流されて無残に散乱してしまった地蔵。土砂崩れによる被害の爪あとです。この土砂崩れが発生したのは、今治市の市街地から玉川方面へ約8キロ離れた作礼山にある四国霊場第五十八番札所「仙遊寺」。山頂に近く標高300メートルの高台にあります。
仙遊寺・小山田弘憲副住職:
「ここまで激しく土石流みたいになったのは初めてですね」
小山田弘憲副住職が案内してくれたのは土砂崩れが発生した場所。普段は小さな沢。しかし、これまでも少し雨が降っただけでかなり水が流れたといいます。
気象台によりますと、仙遊寺がある今治市玉川では降り始めからの総雨量が184.5ミリ。11月の平年の総雨量の約2倍が降り、土砂災害警戒情報が一時、発表されていました。
この大雨によって仙遊寺の山門へと続く歩き参道で土砂崩れが発生。参道には土砂や木々が重なり、階段は崩落していて道は寸断されています。手すりも折れ曲がっています。
小山田弘憲副住職:
「もう呆然とするだけでした。さてこの雨の中どうしようかなと。ぼけっとしてしまうような状態でした」
小山田さんは当時、檀家の法事に赴いていて午後0時前、寺に戻る途中で被害に気づきました。当時境内にお遍路さんなど人はいたもののケガ人はいません。
この土砂崩れで配管が寸断されたほか、境内まで続く道は全て通れなくなっていましたが、5日時点は車道のみ通行可能に。歩き遍路用の参道ではお地蔵さんが約30メートル下まで押し流されていて、一部は衝撃で首から上が取れていました。
また仙遊寺から次の59番札所へと向かう参道も鉄砲水によって地面がえぐれ、架けられていた橋も約10メートル先まで流されていたといいます。秋はお遍路さんが多く訪れる季節。参拝者からも戸惑いの声が聞こえてきました。
お遍路さん:
「どうなっているのかなと思って中のほうが。なんかすごいことになってましたね」
お遍路さん:
「ちょっとひどいなと思いますね。たくさんの方がお参りになるちょうど今シーズンですからね」
小山田副住職は「復旧の目処は全くついていない。諸行無常だからって思いますね」と話す一方、「もう一段よくできるチャンス」と捉えていました。
#愛媛県 #今治市 #玉川 #災害 #被災 #四国霊場 #大雨 #寺 #土砂崩れ #仙遊寺 #豪雨
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。