東京電力は5日、福島第1原発2号機で実施している溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の初回収に向けた試験取り出しで、つかんだ試料の放射線量が基準以下であることを確認し、回収が可能だと判断した。回収作業は最終段階に入る。
東電は5日、格納容器の外にある取り出し装置を収納する箱の中で、つかんだ試料の放射線量を収納箱の外側から測定したところ、毎時約0・2ミリシーベルトだった。作業員の被ばく対策で設定した上限の毎時24ミリシーベルトを下回った。
東電は6日に収納箱の中で試料を専用の容器に移し、7日以降に収納箱の外に回収する。回収後は茨城県内の分析施設へ運んで詳しく分析する。
試験取り出しは当初、8月22日に着手し、9月上旬にも回収する予定だった。しかし、取り出し装置を押し込むパイプの接続ミスや、強い放射線による装置のカメラの故障などのトラブルが相次ぎ、工程は約2カ月遅れている。【高橋由衣】
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