7月の豪雨による土砂崩れで大きな被害があった最上町・瀬見温泉の旅館が、3カ月間の休業を経て、11日に営業を再開する。従業員全員が力を合わせ、なんとか紅葉シーズンに間に合った。

「まだちょっと跡が残っている…。ここまで泥水が来ていたので」

3カ月が経ってもまだ残る爪跡。
それでも、旅館は一丸となって再出発への準備を重ねてきた。

(ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長)
「きのう完成したのでお湯を張った。6月にリニューアルした直後に泥まみれになり、最初は『どうしたらいいのだろう』という気持ちだった。社員一同みんな頑張ってくれて、やっとここまできれいにできて、宿泊客を迎える準備も整いつつあるので、今は少し希望が持てるようになった」

7月の大雨で、瀬見温泉では大規模な土砂崩れが発生。
老舗の宿「観松館」には大量の土砂が流れ込み、休業を余儀なくされた。
ボランティアの手も借り、朝から晩まで続いた泥の撤去作業。しかし、被害は想像を超え、宿の外にも及んだ。

(ゆめみの宿 観松館・井上淳総務部長)
「これが浄化槽。後ろの山の土砂をかぶったような感じ…」

宿の下水処理を一手に担ってきた「浄化槽」が土砂の直撃を受けて機能しなくなった。

(ゆめみの宿 観松館・井上淳総務部長)
「建設中の新しい浄化槽。費用は8000万~1億円近い。1日も早くオープンしたいので早く完成させたい」

クラウドファンディングで800万円を超える資金が集まったが、破損した建物や浴室の改修費用、これに宿泊予約のキャンセルなど売り上げの損失を含めると、被害総額は約3億5000万円。
到底足りる額ではないが高橋社長は…。

(ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長)
「たくさんの方に支えてもらって、従業員も一生懸命頑張ってくれたので、自分もここまで折れずにやってこれた。すごく感謝している」

11月11日の営業再開に向けて予約は順調に入っている。

(スタッフ)
「おかげさまで新規予約も増えていてうれしいです。来てくれるお客さまに感謝して頑張りたいです」

「被災前よりもきれいに、より良いサービスで迎えよう」それが従業員全員の合言葉だ。

(ゆめみの宿 観松館・高橋裕社長)
「宿は災害が起きる前よりむしろきれいになったと思う。まだ至らない点もあるかと思うが、笑顔で明るくお迎えしたい」

紅葉シーズンに間に合った観松館の営業再開は11月11日。

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