沖縄県石垣市で3日、第60回石垣島まつり(主催・同実行委員会)の市民大パレードが行われ、陸上自衛隊石垣駐屯地の隊員ら約70人が参加した。目抜き通りを迷彩服姿で行進。沿道で子どもたちも見学する中、「一撃必墜」「闘魂」などと書かれたのぼり旗を持って歩く隊員もいた。(八重山支局・矢野悠希)
駐屯地の参加は昨年に続き2回目。隊員が迷彩服で一般イベントのパレードに参加するのは、県内では石垣だけとみられる。
市民大パレードは地元の団体・企業が踊りや演奏といったパフォーマンスを披露し、沿道の声援を受けながら市街地を歩く。ことしは54団体約1800人が参加した。
市民団体「石垣島の平和と自然を守る市民連絡会」は1日、迷彩服でのパレード参加は祭りの趣旨にそぐわないとして、事務局を担う市商工振興課に参加取り消しを要請していた。
同駐屯地の広報担当者は本紙の取材に「私たちの活動を知ってもらうためにパレードへの参加を申し込んだ。制服である迷彩服を着用した」と説明した。
「一撃必墜」ののぼりは、同駐屯地でミサイルなどに対処する第348高射中隊のもので「スローガンのようなもの」だという。
隊員らは昨年、厳格な雰囲気の「観閲行進」をしたが、今年は「にこやかなムード」(担当者)に方針転換。先導する音楽隊の演奏で流行の曲を踊るなど親しみやすさを出したという。沿道で日の丸を振って喜ぶ子どもたちもいた。
八重山防衛協会や隊友会八重山支部の関係者が拍手して歓迎する一方、「武力で平和は守れない」と書かれた横断幕を持って抗議の意思を示す住民もいた。
座ってパレードを見ていた女性(76)は「パレードで迷彩服を見ると、戦争が近づいているのかと胸がドキッとする」と語った。
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