陸上自衛隊の輸送機V22オスプレイが沖縄県与那国島で日米共同の演習中に機体を損傷した事故を巡り、陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長は31日、定例記者会見で「客観的なデータとして機材上の不具合は確認されていない」と説明した。人的や環境的な要因も含め「あらゆる状況を確認しながら総合的に原因調査を進めていく」と述べた。
陸自のオスプレイは10月27日午前11時40分ごろ、与那国駐屯地内で離陸後間もなく、機体が左右に揺れて不安定になり、左翼の下部が地面と接触した。陸自によると、空中でバランスを崩しての事故は2020年7月の導入以来、初めて。米軍に問い合わせているが、同種の事象に関する情報は今のところ寄せられていないという。
森下陸幕長は会見で、機体が左右に揺れた際、異常を知らせる警告灯は表示されていなかったと説明。陸自に設置した事故調査委員会で飛行記録装置(FDR)のデータ解析を進める方針といい、損傷の程度は「外見だけではなく、内的にもどのような影響があるのか細部を確認中」とした。
事故後、陸自はオスプレイの飛行を見合わせており、森下陸幕長は再開のタイミングについて「しっかりと原因を究明し、しかるべき処置を取って安全を確認してから」としたうえで、「速やかに進められるようにしたい」と強調した。【松浦吉剛】
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