太陽光発電などを巡る違法な販売預託商法を行ったとして、経営破綻した会社の元社長らが預託法違反容疑で逮捕された事件で、法改正でこの商法が原則禁止された後も会社が特典付きキャンペーンを続け、客から多額の資金を集めていたことが捜査関係者への取材で判明した。大阪府警は容疑者らが破綻直前まで積極的な販促活動をしたことが、被害の拡大につながったとみている。
逮捕されたのは再生エネルギー業「チェンジ・ザ・ワールド」(山形県酒田市、破産手続き中)の元社長、池田友喜容疑者(47)ら同社関係者6人。チェンジ社は客に太陽光パネルなど発電設備の所有権を販売し、この設備で発電して得た売電収入を客に配当する販売預託商法(オーナー商法)をしていた。販売預託商法は2022年6月の法改正で内閣総理大臣の確認を得た業者しかできなくなった。しかし、容疑者らは確認を取らずに12月までこの商法を続け、男女4人と計218万円でパネルを販売する契約を結んだ疑いが持たれている。
チェンジ社は法改正前後に消費者庁などから事業内容が違法に当たる可能性を指摘されており、府警も容疑者らが違法性を認識して事業を続けていたとみている。
しかし捜査関係者によると、同社は法改正前から行っていた発電設備の購入を呼び掛ける特典付きキャンペーンを法改正の後も継続。太陽光パネルなどの購入額に応じて航空会社のサービスが利用可能なマイルを付与すると、インターネット広告や会員向けのメールで再三呼び掛けて購入者を増やしていたとみられる。
法改正から半年後の22年12月、チェンジ社は新規の購入受け付けを突然終了した。だが、この月も大手通販サイトで使えるギフトカードをプレゼントするキャンペーンを複数回にわたって繰り返していたという。府警によると、チェンジ社はこの半年間に約3800人から約12億円を集金していた。
チェンジ社は約38億円の負債を抱え、23年2月に東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。【小坂春乃】
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