2015年、長野県佐久市の男子中学生が車にはねられ死亡した事故を巡る裁判で、最高裁が12月に弁論を開くことを決めました。ひき逃げの罪に問われた男性に東京高裁は「逆転無罪」を言い渡しましたが、これが見直される可能性があります。
2015年3月、佐久市で当時中学3年生の和田樹生さんが車にはねられ死亡しました。運転していた男性については、過失運転致死の罪などで2度裁判が行われましたが、和田さんの両親は救護義務違反「ひき逃げ」の罪での起訴を求めて署名活動などを展開、検察はその後ひき逃げの罪でも起訴し、3度目の裁判が行われました。
争点となったのは男性が事故を起こした直後、飲酒を隠そうと近くのコンビニに行き口臭防止剤を買って服用していたこと。
一審の長野地裁は「ひき逃げ」の罪に当たるとし、懲役6カ月を言い渡しました。
しかし、二審の東京高裁は「口臭防止剤を買って戻るまでの時間は1分余りで、すぐに救護している」などとして、一審の判決を破棄、男性に「無罪」を言い渡しました。
高裁判決後、両親は…
父・善光さん:
「救護義務違反(ひき逃げ)に当たらないということは考えられません。なぜ、われわれの思いというものが司法に届かなかったのか」
母・真理さん:
「被害者の生命や体の保護を全く無視した判決。最低の判決です。樹生にかける言葉が見つからない。こんな国に産んでごめんねとしか言えない」
東京高検は判決を不服として最高裁に上告していましたが、この程、最高裁が12月13日に検察側、弁護側の主張を改めて聞く弁論を開くことを決めました。逆転無罪を言い渡した高裁の判決が見直される可能性があります。
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