福井市で1986年に中学3年生の女子生徒(当時15歳)が殺害された事件で、殺人罪で懲役7年が確定して服役した前川彰司さん(59)の再審公判について、名古屋高裁は30日、高裁金沢支部で実施すると明らかにした。再審開始決定を出した山田耕司裁判長が担当するという。
高裁支部によると、再審請求審と同じ裁判官が再審公判を審理することについて、刑事訴訟法が定める「裁判官の除斥理由」に当てはまらないことから可能だという。
高裁支部の開始決定は前川さんを有罪とする根拠となった知人らの証言について、再審請求審で弁護側が提出した新証拠を踏まえて信用性を否定。「捜査機関による(証言の)誘導や不当な働きかけがあった疑いがある」と指摘した。これに対し、検察側が異議申し立てをせずに開始決定が確定した。
前川さんは1審で無罪だったが、2審の高裁金沢支部が逆転有罪を認定。97年に最高裁で有罪が確定していた。【木島諒子】
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