「風呂キャンセル」「伊能忠敬」「自然」――。一見すると何ら関係なさそうな言葉だが、共通するキーワードは「界隈(かいわい)」だ。若年層を中心に、SNS(ネット交流サービス)などで「●●界隈」という言葉が流行している。
LINEヤフーは29日、「Yahoo!検索」のビッグデータを基に、「界隈」を含む言葉の検索人数が2019~23年の4年間で倍増し、24年は10月時点で過去最高になっていると公表した。特に24年5月以降に検索人数が大きく伸びており、「風呂キャンセル界隈」が最も検索されていた。
「風呂キャンセル界隈」はお風呂に入ることを面倒に感じてやめる人々を指す。4月下旬ごろのX(ツイッター)への投稿が一時トレンド入りし、派生語も生まれるなどSNS上で急速に広まった。
最近では高校生対象の民間調査で「今秋のトレンドワード1位」にもなった。
界隈は「そのあたり一帯」(広辞苑)という意味があるが、特定の業界や趣味に関わる集団といった意味でも使われている。
同社は「ここ数年で使われ方が大きく変わり、より広範な意味で使われるようになったようだ」とし、日常生活で触れる機会も増えてきていると分析する。
ほかには「伊能忠敬界隈」も検索が伸びている。
初の日本全国の実測地図を作った功績をイメージしてか、長距離を歩くことを好む人々や、仕事や趣味で長距離を歩く人々を指す言葉として用いられている。このほか、山や川、海などのスポットを楽しむ人々を指す「自然界隈」、顔の半分や片目だけを見せた自撮り写真をSNSに投稿する人々を表す「片目界隈」など、多彩な界隈が検索されていた。
同社は「今後も新しい界隈がどんどん生まれそうだ。『界隈』界隈に注目すると面白いかもしれない」としている。【浅川大樹】
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