山形県産ブランド米「雪若丸」の新米をカレーで味わう恒例イベントが27日、米どころの三川町で開かれた。米価格高騰の中、値段据え置きで提供された約170キロ、1200食分はおかわり続出で完売。町観光協会は「新米を絶好の時期に満喫してもらい、町のPRになった」と話している。
ご飯とカレー2種(1200円)と同3種(1500円)を提供する「庄内カレー食べくらべ」。同町の「いろり火の里なの花ホール」には午前10時のオープン前から事前予約した県内外の十数組が並んだ。来場者はご飯(250グラム入り)の容器を受け取ると、豚肉やエビなどの地元素材を使った約30種類のカレーを用意した17店舗のブースに移動。好みのカレーを受け取り、おいしそうに頰張っていた。
両親と訪れた鶴岡市の男子小学生(11)は、しっかりした粒感と適度な粘りが特徴の「雪若丸」がチーズ入りのカレーを引き立ててくれるとして、「カレーと米の味がマッチしている」と絶賛した。ご飯を追加購入する来場者も目立ち、昨年比200食増の計約1200食が完売した。
町観光協会によると、昨年の猛暑による高温障害で流通量が逼迫(ひっぱく)した影響などから全国的に価格が高騰しているが、米づくりを基幹産業とする町をPRするイベントの趣旨から今回は値上げせず、価格を据え置いた。
一方で、米不足が叫ばれた「令和の米騒動」が尾を引く形で、町のふるさと納税への申し込みが数多く、一部の農家が既に品薄状態に。消費拡大を狙ってイベントをスタートした2018年から、米を取り巻く環境が大きく様変わりしている。
町観光協会の沢田佳子・企画チーフは「とれたてホヤホヤの新米を来年度以降も楽しんでもらえるように、農家と力を合わせて継続できる形を考えていきたい」と話している。【長南里香】
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