医療事故を受け、謝罪する近江八幡市立総合医療センターの白山武司院長(左から2人目)ら関係者=25日、滋賀県

滋賀県近江八幡市の市立総合医療センターは25日、市内の生後6カ月以内の乳児に薬を誤投与する医療事故が発生したと発表した。乳児は一時入院。すでに退院したが、あご付近にやけどの痕が残っているという。

医療センターによると、乳児は3月11日、耳鼻咽喉科を受診した際、50代の准看護師の女性が、検査前に鎮静剤「トリクロリールシロップ」を投与すべきところ、「80%トリクロロ酢酸液」を口から誤投与した。乳児が吐き出したため、女性は改めてシロップを投与した。女性は2つの薬を投与したことについて報告していなかった。

トリクロロ酢酸は強い酸で刺激臭があり、一般にいぼの治療などで患者に塗布されるが、口から投与されることはない。

乳児の口の中が炎症し、あご付近にやけどの症状があることに家族が気付き、医療センターを受診。乳児は12日から21日まで入院した。あご付近には現在もやけどによる赤みが残っているという。

女性は医療センターの聞き取りに対し、「薬の名前の確認が不十分だった」と説明。国内でトリクロロ酢酸の誤投与の例は確認されておらず、医療センターは「今後も経過観察を続ける」としている。

白山武司院長は記者会見で「このような事故が二度と起こらないよう全職員が一丸となって取り組み、信頼回復に努めていく」と話した。

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